前作から大きく進化!圧倒的なボリュームを抱えるブロックメイクRPG!ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島
ちょっと遅くなったがドラゴンクエストビルダーズ2のレビュー!
細かいところを見れば欠点はあるが、全体的に超イカすゲームだ!
前作はプレイステーション4版でプレイ済み。
2は いつでもどこでも遊びたかったからスイッチ版。
ちなみに主人公は髪・肌・目だけだがカスタマイズできるし、
性別も含めて、ある家具を作れば簡単にいじれる。
今作のストーリーは、ドラゴンクエスト2の大神官ハーゴンと破壊神シドーが
ローレシアの王子たちによって倒された後の世界。
だが、平和になったとは言えず、ハーゴン教団の残党が各地に存在。
この世界ではハーゴン教団の教えによって ものづくりが悪とされ、
主人公もビルダーの1人として教団に捕まり、
船で搬送させられているところから始まる。
が、この運がいいのか悪いのか、船は嵐によって難破し、
無人島の『からっぽ島』へと流れ着く。
そこで出会った少年シドーと共に からっぽ島の開拓と物語が始まるのだ。
流れついたのは主人公だけじゃなく、
からっぽ島開拓のメインキャラとなるルルも居るが、
基本的に冒険の同行は戦えるシドーとなる。
ゲームの流れとしては、
からっぽ島の開拓
↓
「〇〇(素材や道具)があればなぁ・・・」
↓
「●●(地名)に行けばあるかも」
↓
「出発だ!」
↓
島での冒険を終えたら、
そこで手に入れた素材を持ち帰って からっぽ島の開拓
を繰り返すこととなる。多少大雑把に書いたが、こんな感じ。
なんで素材のある場所を知っているのかというと、
前作と違って世界が荒廃までは行っておらず、
ハーゴン教によって表立ってやることは禁止されているが
今でも そういった技術や素材が完全に失われていないため。
だが、オープニングを見ての通りハーゴン教が陰ながら世界を支配しているので、
オープニングから冒険の舞台でも各所で邪魔をしてくる。
そんなわけでハーゴン教は作中では恐ろしい存在として描かれているが、
捕まって船で搬送されている時の操作チュートリアルから
面白みのある話で温かみを出している。
作中の各所でも恐ろしい敵としても出てくる一方、
どこか抜けていて憎めない不思議な存在感を出している。
完全に人間を滅ぼしにくるようなボスキャラも
思わぬ変な弱点や拘りがあったりと、妙なところで楽しませてくれる。
ゲームプレイ部分が前作から どう変わったのかというと、全然違う。
前作と違ってハンマーから耐久力の概念が消え、使い放題。
正確には前作はハンマーも装備の1つだが、
今作はビルダー道具という建築や地形操作に使う特殊アイテム枠に入った。
チュートリアルの段階で手に入るグローブは
オブジェクトやブロックを掴んで別のところへ下ろすことができる。
前作では飾り道具を間違えて置いてしまい、
その都度わざわざハンマーで取り壊して置き直していたが、
今作はグローブを使って持ち上げて下ろすだけで動かせるようになった。
一見 地味な改善に見えるかもしれないが、
前作やマインクラフトで建築に拘ったことある人なら
どれだけ便利な機能か すぐに伝わるはずだ。
水中の探索も可能になったのは探索面で前作からの大きな強化でもある。
カメラをボタン1つで主観にもできるようになっているので、
気分転換にするもよし、景色に浸るもよし、
細かい操作の時だけ使うもよし。この視点での戦闘は迫力あるぞ!
収納箱へアイテムを入れるときも、
手に持ったアイテムを直接箱へ入れるようになっているので
わざわざ収納箱ウィンドウを開くまでも無い。
そもそも大量の素材を持ち歩けるようにもなっているので、
箱を使うケースは からっぽ島で がっつり建築をする時ぐらいじゃないだろうか。
1ボタンで手持ちのアイテムを袋へ入れられるし、
1ボタンで袋ウィンドウを開けるのも地味に快適性が上がっている。
ストーリー上で必要となるアイテムなどがある場所も
マップへ常にマーカーが付いて わかるようになっていたり、
キメラの翼なしでマップからファストトラベルが
できるようになっているのも非常に便利。
ここから2章(1章はチュートリアル)の範囲で話を出すことになるので、
そういうのもネタバレとなる人は注意して欲しい。
少し行間を置いてから書くので、見たくない人は
今のうちにブラウザの『戻る』か セレベスト織田信長を読みに行って欲しい。
2章の間に手に入る かわきの壺は水を吸い込んだり
好きなところに流すことができるし、別の種類の液体を吸い込まない限り
回数制限などなく流し放題なのも凄い。
からっぽ島で川を作るときは これが どれだけ心強い道具かわかるはずだ。
前作から水の流れの表現が加わっているのもあって
ちょっとした段差から水を流して眺めるのも美しく見えてくる。
かなり驚かされたのは、2章の間に空を滑空飛行できる
風のマントが手に入ることだ。
ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドのパラセールを彷彿とさせるが、
探索や素材集めが重要な今作でも移動手段として非常に楽。
ゼルダと違ってスタミナの消費も無く、
さらに足元ブロック積みで容易に高所を作り出せるので
移動手段に関しては全く困らない。
(これはこれで地形をいじることになるので気になる人は居るだろうが)
前作と同じく住民から部屋やアイテムなど
「〇〇を作ってくれ」と言われてそれを作ることでイベントクリアし、
ゲームを進めていくのだが、前作と違うのは住民も ものを作るようになっている。
前作は特定の部屋・・・例えば調理場を作ると
収納箱へ料理を入れてくれる、といった程度だった。
今作は畑を作って種を撒けば水を撒いて世話をしてくれたり、
巨大な建築物を作る際に手伝ってくれたりと、
前作の『1人で ものを作って住民がサポート』ではなく
『みんなで1つのものを作る』団結的な作り。
最初はハーゴン教の教えで ものを作るのを渋っていても、
ふと手伝ったことから ものつくりの楽しさを知り、
それ以降は明るく手伝ってくれるNPCも多いので
「ものを作る喜び」を これでもかと描いてくれる。
住民は人数分のテーブルや食器に椅子を用意すれば
みんなで囲んで食事を取るようになるし、風呂を作れば風呂に入る、
トイレを作ればトイレもする。トイレを誰か陣取ると
朝一番の うんこを我慢するようなセリフも吐くようになる。
こうした生活感の表現が前作とは大きく違う。
基本的にシドーと一緒に行動することになり、大きな戦力になるが
「勝手に敵へケンカを売ったり余計なことしないかな・・・」
と、発売前は不安に思っていた。
だが、実際はプレイヤーが攻撃したら戦闘するようになる仕組みだし、
プレイヤーがアイテムを攻撃して素材化したら
シドーも近くにある全く同じアイテムを攻撃して素材化し、
拾ってくるところまでやってくれる。全然余計なことをしない。
破壊神と同じ名前をしているのに、えらく献身的なAIをしている。
性格も破壊は好きだが外道な手段を使ってくるハーゴン教には怒りを覚え、
住民やビルダーの手助けとなることを強く望んでいるので親近感も湧く。
たまに拠点にはモンスターがやってくるが、
そういう時だけ住民やシドーが積極的に戦闘してくれる。
特定のタイミングで大群が押し寄せてくる戦闘イベントは
戦闘が終了したら住民たちが自動的に修復するので
プレイヤーが後始末をする必要もない。
ちなみに地形破壊はビルダー道具のハンマーに委ねられているので
プレイヤーの攻撃では基本的に地形が壊れなくなり、遠慮なく戦闘できる。
クラフト面では当然のようにレシピが増加!
増えた数がハンパではないので建築の幅が広がった。
序盤から攻略には必要ないが彩りとなる色々なレシピを閃く。
そのプレイヤー毎に存在する拘りの建築を見せるために、
インターネットを経由してロード画面や家具扱いの掲示板で見られるので
作品を共有しやすくする機会を用意してくれているのもいい。
ゲームを進めてくると、ストーリーも気になってくるようになる。
相棒キャラのシドーはドラゴンクエスト2のラスボスと同じ名前で、
どういう風に関わってくるのか気にならないわけがない。
破壊の神と同じ名前なので物騒なキャラを頭で作ってしまうが、
要所要所でハイタッチをしたり、相づちを打ってきたりと微笑ましい。
一方で、プレイヤーを見て ものを作ろうとするも、
何故か作り出せず破壊してしまったりする一面もあり、
この不安気のある話をいつ、どういう風に着地させるのか注目したくなる。
前作の正当進化で、ケチをつけるのが難しいほどだが、
あえて欠点を言うならマルチプレイが からっぽ島での開拓のみで
それ以外のストーリーや素材集めのための他の島の探索は1人用。
シドーは ものが作れない設定なので、
安易にシドーを2Pキャラとして起用できないため、仕方ない面はある。
フリーモードが実質からっぽ島でのプレイになるので、
ストーリークリアまで大方のレシピが解放されないのは
建築メインで自由に ものを作りたい人には不満になるかもしれない。
ストーリーで住民から頼まれるクエストのフラグが
ガチガチなものもあるので、ややわかりにくいところもある。
だが、そういった欠点を踏まえてもあらゆる要素が前作を超え、
ストーリーにも前作以上に目を見張るものがある。
自分は涙もろいのもあるが、最終章は最初から涙ぐんでプレイしていた。
ラスボス戦で泣かないわけがない。
公式サイトのキャッチコピー『世界をつくれ、運命をこわせ。』を
ここまで綺麗に回収できるのかと感心してしまった。
もの作りが好きな人にも、探索が好きな人にも、
ドラゴンクエスト2が好きな人にもバッチリお薦めできる1本。
チュートリアルが非常に丁寧なので
こういったサンドボックス系ゲームの入門にも最適。
難易度も そこまで高くないので、ゲームそのものの初心者にも
着実に触っていける設計なのは流石のドラゴンクエスト。
全てのゲーマーに薦められる内容! 間違いなく買い!