値段相応、悪くはないが特筆するほど良くもない。モダンコンバット・ブラックアウト
今回はニンテンドースイッチのダウンロードソフト、
モダンコンバット ブラックアウトの紹介。
値段は2400円で、元々はスマホやパソコンのゲーム。
ナンバリング的には5作目のゲームだが、
気分的に手を出しやすいようにとのためか、
スイッチ版はナンバリングだけ削られている。
パソコン版はwindowsストア改めマイクロソフトストアでも配信中。
ジャンルはFPSで、1人プレイモードにオンライン対戦、
ローカル対戦は しっかりあるし操作性もコンシューマ用に落とし込まれている。
他のコンシューマFPSをプレイしたことあるなら何の問題も無く入り込めるはず。
1人プレイモードはストーリーが用意されており、
世界解放軍と言う名のテロリストが東京やベニスを襲撃。
軍でも対処できない暴動に民間軍事会社のギルマンセキュリティの一員である
フェニックスとなって世界規模のテロ行為の鎮圧を目指す。
自体背景は・・・描写が全然無くて よくわからないけど、たぶん近未来だ!
といってもプレイヤーがやることは簡単。
1本道を進む! 敵が出たら撃ち殺す! 進む!以上!
行先は常にカーソルが出ているので絶対に迷わない。
装備も銃・サブウェポン・グレネード・敵の位置を調べるドローンの4種類と
使い道がハッキリしていて わかりやすく、使いやすい。
特徴的なのは、チェックポイント的なものが無いかわりに
1つのステージあたりが短い。スマホを意識した手軽な作り。
ステージによっては驚くほど短いものもあるが、
総合的なボリュームは悪くない。
一度ストーリーをクリアすると、ストーリーでプレイした部分の
1パートを抜き出してプレイするミニステージが遊べるようになる。
特定の敵を探して倒したりという、本編には無いルールも。
本編・ミニステージ問わずクリアだけなら そう難しくはない。
全ステージ、ハンドガンでキル、ヘッドショットキルなど
やりこみ要素的なのを一定数達成することで星が貰える。
1人用モードは特別に強めのエイムアシストも
オプションから使えるので、FPSに慣れない人は使おう。
ダメージは一定時間受けないでいると自然回復する方式なので、
危なくなったら下がっていれば問題なし。
グラフィックもスマホ版の配信当時としては最高峰。
光源処理やボロボロの街並み、ヘリや軍事用アーマーなど
グラフィックの細かい拘りが各所にある。
対戦は4対4だが、人数が足りなくても そのままスタートする。
途中乱入ありのタイプなので、プレイ中に人が増えていくことも。
ルールは簡単、制限時間内にどちらが多くのキル数を稼げるか。
ストーリーはクリアまで、対戦も何度かやってみたが
全体的に見て なかなか面白いゲームでもあると同時に
ちょっとした欠点もある。まずグラフィック。
あくまでも配信当時の2014年の7月時点で最高峰であって
今見ても悪くはないのだが、見る角度によっては弾痕の色が変に変わったり
懐かしく感じるHavokの荒ぶりのような挙動を目にすることもある。
ストーリーだけで楽しめるかと言われると若干疑問もある。
まず、そのストーリーモードは1ステージあたりが短いと言ったが、
それ故に ぶつ切り感がある。気軽に遊べることと天秤なので
どちらが悪いかは言い切れないが、利便性と引き換えに没入感は減っている。
個人的にマイナスな点は、
先のステージをプレイする時に一定数の星が必要なところ。
星はストーリーやミニステージでクリアや特定の条件を満たすことで
1つのステージに対し最大3つまで貰えるのだが、
かなりの数を集めないと最後までストーリーモードを遊ぶことができない。
全体的に難易度は簡単といったが、
ミニステージの中でスナイパーとなって味方を護衛するステージと
爆破してドアを開け、突入して僅かな時間の間に人質を取っている敵、
ヘビーアーマーを装着した敵、逃げる敵、
爆弾のスイッチを持つ敵を倒さなければいけないステージが凶悪。
前者は単純に味方のAIがアホなのか、
全然カバーしないまま突っ込んで あっさりと死ぬ。
そのため、素早い狙撃と リロードのタイミング、
一定時間ごとに右スティック押し込みで出せる謎の銃弾操作こと
バレットコントロールを的確に行う必要がある。
敵の配置を覚えて先に照準を置いておくレベルでないといけない。
突入ステージは その逆。
なんとプレイやコンティニューするたびに配置が変わる。
もちろん人質を撃ってしまうとゲームオーバーだが、
そのランダム配置によっては凶悪なことになる。
画面の奥側にある手すりの後ろにいる時は
ほぼクリアを諦めるレベル。まず人質を避けて当てるのが難しく、
手すりに当たってもダメ。一瞬のエイムで完全に決着を付けなければならない。
爆弾のスイッチを持つ敵はスイッチを破壊しなければいけない。
あくまでもスイッチを破壊する必要がある。
そいつの頭を撃ったとしても平気で生きてて
そのままスイッチを押されゲームオーバーとなる。
もちろん、こいつも画面の奥側にいることがあって、
小さいスイッチを余計に狙いづらくされることも。
一番問題なのは、この配置運によって左右されるステージなのに
4回連続で突破しなければクリアと みなされない。
ストーリーでは無く、やりかたも教えてくれないまま
『爆弾を解除しろ』と言われても、どれが爆弾なのか、
どう解除すればいいのか教えてくれないのも不親切。
(スーツケースっぽいものに近づいて×ボタンで出来る)
そうしてまでプレイするストーリーもオチの残尿感が強い。
ストーリーの見せ方もプレイヤーへの情報の出し方も若干ヘタなので
「た、たぶんこういうことなのかな・・・?」
と微妙な不安感を抱えて話を追うことになる。
黒幕がわかるまでは敵の手のひらの上になるのはいい。
それが わかってから逆襲すればいいからだ。
だが、その逆襲の部分がムービーで あっさり終わってしまうので
ラスボスを倒した感が全くない。その前はゲーム序盤からやってるザコ退治だ。
実質的にボス戦と呼べるものは無い。
FPSの1人用モードは一本道にすることで演出面に力を入れているが、
モダンコンバットは2014年基準で考えてもイマイチ。
スマホ基準だと悪くはないかもしれないが、
それをそのままコンシューマに持ってくるには力不足。
妙にエラーが出てゲームが終了するのもどうにかしてほしい。
対戦も1人用モードや対戦モードをプレイして獲得できる経験値で
強い武器を解禁していく方式なため、歯が立たないわけじゃないが
せめて武器の解禁条件が もっと緩かったらよかったかな。
それよりも対戦が4人にならなくても始まってしまう、
途中参加ありの仕様なため3対2とか人数的に不利なまま始まって
誰か入ってくるのを祈ったり、入ったと思ったら相手の方が多かったりと
不公平感もある。4対4と人数が少なめなので1人少ないだけで影響が大きい。
マップは他のコンシューマFPSと比べたら
ややイマイチではあるが起伏や高低差があるし全体マップも見やすい。
しかし、中途半端に広いせいで敵を探す時間が多め。
特殊な装備も少ないので、単純な撃ち合いも多い。
結果として、良くも悪くも値段相応なFPS。
単純にスイッチで遊べるFPSを求めているならDOOMを薦めるが、
値段を考慮すると・・・まあ、悪くはないかな。
もしくは、海外の人が作った独特的すぎる東京を見たいとき・・・?