ちょっと前に操作しづらい風来のシレン 月影村の怪物を紹介したので
アスカ見参と比べたら知名度は低いが名作である
風来のシレン月影村の怪物windows版に触れておく。
このタイトルだけはメーカーとユーザー両社の手によって
長く愛された特殊なタイトルだからだ。
風来のシレンシリーズを語る上では欠かせない1本でもある。
といってもストーリーに変わりはない。
シレンが旅の途中立ち寄った月影村で生け贄にされた子供を救出し、
村を脅かす『オロチ』と呼ばれる怪物を倒すことが目的。
バランスに関してはそう大きく変わっていないが、
当然グラフィックとBGMは元々ゲームボーイのものだったので
比較すれば大きくパワーアップ。
だが、一番違うのは操作だろう。慣れないうちは戸惑う人も多かった。
※画面右上に書かれている文字列は当時使っていた
録画ツールによるものなので、ゲームそのものとは何も関係ありません。
何故なら、メニュー画面や矢印キーは使えるが操作が元々のRogueと同じ操作で
『k』キーで上、『j』キーで下、『h』キーで左、『l』キーで右、
『y』キーで左上、『u』キーで右上、『b』キーで左下、『n』キーで右下へ移動する。
『q』キーを押すと持っている草だけをリストアップ化して表示、
『r』キーは巻物だけ、といったショートカットリストアップコマンドも搭載。
オロチを倒してフミを連れ帰れたらエンディング、
その後は月影村出口・・・という流れはゲームボーイ版と同じだが
1つだけ決定的に違うところがある。それは倉庫内のゴミ壺。
これは不必要になったアイテムを捨てるだけでなく、
一番下にある『自分を捨てる』のコマンドにある。
自分を捨てるを選ぶと、PC版で追加されたダンジョンを遊べるのだ。
日替わり、週替わり、月替わり、武器と盾が存在しない、
同じ色の敵しかでない、落ちているアイテムの大半が杖、
といった個性豊かなダンジョンばかり。
アスカ見参の先駆けのような特殊ダンジョンも見られた。
日替わり、週替わり、月替わりは
その期間に応じて全く同じ構造のダンジョンとなっていて、
やられるかクリアまでに手に入れたアイテムによって
換算されるスコアでスコアアタックを行うルール。
そうしたやりこみが長く長く楽しまれてきたが、
スーパーファミコンの風来のシレンの改造・解析をしている
裏CHUNSOFTの管理人こと、オヤジ戦車氏がダンジョンファイルを解析。
スターまんさんが製作したゴミ壺ダンジョン作成キットが誕生。
こうしてダンジョンを遊ぶだけでなく、自分で作って配布、
ダウンロードして遊ぶという外部的な広がりへと繋がっていった。
ダンジョンの作り方は一見複雑そうに感じるが
インターフェースが非常に親切で わかりやすい。
全階層ごとに出るアイテムやモンスターの設定ができるのは当然、
項目を見ての通り細かいルールを設定できる。
モンスターハウス、特殊モンスターハウスの出現率も設定できるし
特殊地形の出現率をも操作可能。ダンジョンの説明文も自由に書けるので
まさにユーザーの数だけ多種多彩なダンジョンが生まれた。
説明文は長くは書けないので、どれだけ短く簡潔に説明できるかも大事だった。
解析から外部ツールによるダンジョン作成は
人によっては首をかしげたり引っかかる盛り上がり方だったかもしれない。
だが、ユーザーが「こういうダンジョンあったらなぁ」という思いを
自ら実現させ、人に遊んでもらうことで「面白かった」と言ってもらえるのは
良くも悪くも今作だけの遊びでもある。
そして、実際に作ることで「〇〇階に このモンスターが出る」というのは
実はよく考えられた配置だったんだなと思い知るチュンソフトの見事な手腕も知れた。
スーパーマリオメーカーのような現象が、まさかの風来のシレンでも味わえたのだ。
自分はダウンロード版をベクターで買っていたので
認証をしなければ体験版以上の範囲は遊べない。
しかし、その認証用のチュンソフトのサーバーは とっくに閉鎖しているので
事実上、体験版として以外プレイ不能になってしまっているのは悲しいが、
アスカ見参だけでなく、こちらにも何かしらのフォローが欲しい。
アスカ見参と比べたらシンプルな内容ではあるが、
遊びやすく、奥の深いローグライクRPGであることに変わりはないのだから。