首をかしげる部分はあれど、ドラゴンボール愛が詰まった1本! ドラゴンボールZカカロット
ドラゴンボールZカカロットをクリアしたので
簡単にサッと紹介。サブクエストは全部じゃないけど拾える範囲で拾い、
クリア後の要素は全てには手をつけていない状態で
プレイ時間は31時間28分。
収録部分はラディッツ襲来からブウ編まで。
ジャンルは1人用のアクションRPG。
タイトルにカカロットとはあるが、
話の流れで悟空以外にも悟飯やベジータを操作することもある。
話の合間合間には自由にマップを動き回って探索できる要素もあって、
食材を取って焼いて食べたり、料理してもらって効果を より上げられたり、
釣りをしたり修業をして新技を獲得したり、そこらへんを飛び回っているザコと戦って
経験値を獲得し、レベル上げするようなRPG要素があるので
行き詰まったら悟空たちの強化をしよう。
技のレベルアップに必要なマップに散らばっているZオーブを集めるのも手。
恐竜に気弾をぶつけて肉をいただく狩猟要素も地味ながら楽しい。
料理は一定時間ステータス上昇+僅かだが永続的にステータスが上がる
2つの効果を得られる。ただし、永続的なステータスの上昇は
本当に僅かなので、オマケ程度に見えなくもないが、
序盤から食い続ければ大きな差に繋がってくる。
といっても連続して食うことも可能なので
そこらへんはプレイスタイルによって ご自由に。
操作キャラによって仲間キャラの会話も変わるのが細かい。
場所によって発生する会話もあるので、
ストーリー上の都合で固定パーティになることも多いが
自由に編成できるタイミングもあって、
その時には会話目当てで連れ歩きたくなる。
サブクエスト用の会話もあって、それがちょっとした楽しみにもなる。
高速移動で飛び回るのが実に爽快。
マップはオープンワールドではないものの
1つ1つのマップが非常に大きく、
漫画やアニメで見たことあるランドマークも多数あって
あちこち色んな場所に目を奪われてしまう。
移動パートは目的地へ行くまでは自由に動き回っていいが、
パーティメンバーの こうした会話も差し込まれるので
ちょっと うろうろして会話を楽しむのも良し。
目的地は常にマーカーが出ているので迷うことはない。
サブクエストは別の色のマーカーで表示しているので
ストーリーの目的地と混同することもない優しさ。
戦闘は3D空間を飛び回って打撃と気弾を通常攻撃、
防御行動はガードとステップによる回避。
高速移動も可能で、敵の広範囲攻撃からの逃げにも使えるし
そのまま敵にぶつかれば怯ませて打撃へのコンボに繋げられる。
事前にセットした4つの必殺技はMPポジションの『気』を消費して使用する。
気は溜めて回復できるが、その間は動けず無防備になる上、
溜め始めと溜め終わりにスキが出来るので
タイミングを見計らって行わないと一方的に殴られてしまう。
もちろんフォームチェンジの要素もあって、
悟空なら界王拳とスーパーサイヤ人1・2・3。
界王拳は徐々に体力が減り、スーパーサイヤ人は徐々に気力が減っていくが
与えるダメージに倍率が掛かる。
何も考えずに使っても無駄に体力を消費したり、
気力がゼロになって変身解除されたり必殺技を使う機会を失ってしまうが
うまいこと気を溜めて管理できたり
敵の攻撃を避けて体力の減りをカバーできれば非常に強力。
体力だけなら回復アイテムを事前に購入してセットしておけば
戦闘中に使えるので、それを連発することで多少は ごり押しが可能。
回復アイテムを買うには当然お金が掛かるが、
リアルタイム経過で貰える仙豆もあるので
お金を払わなくても回復アイテムの調達は一応できる。
仲間が同行している状態なら一緒に戦ってくれるし、
クールタイムを経過することでサポート技を使わせることも可能。
太陽拳は広範囲の敵を怯ませられるので非常に強い。
ストーリーはドラゴンボールZそのままなので
深く言うことは多くないが、これまでのドラゴンボールゲームと比べ、
比較的多くの原作・アニメオリジナル展開の再現が多い。
アニメオリジナル展開も拾っている部分はあるが、
それでも全部の原作・アニメ両方全てを再現はできていないので
「〇〇は再現されてるのに●●は再現してないのか」
といったことがある。ただ、自分としては それでも再現部分が多く、
イベントシーンが かなり長い方ではあるのでゲームテンポの都合で
短縮やカットされた部分があったんだろうと解釈はしている。
本当にイベントシーンだけで見ても、かなり長いからね!
ゲーム的な都合で詰まないようにという気配りではあるが──
この話の流れで自由に探索できてしまうため、
絵的には首をかしげたくなることも・・・!
広いマップを飛び回り、スピード感やインフレ感を楽しめ、
ドラゴンボールの世界観を浸れる仕掛けが数多くあり、
ドラゴンボールゲームの中でも細かい再現度を誇るが
欠点もいくつかある。まず、基本的には1対1だが
1対多が非常にキツイ。当たり前なことを言ってはいるが、
敵1体を殴っているときは他の敵からすれば無防備なので
簡単に袋叩きにあってしまう。
仲間を連れていければそれでいいのだが、
仲間を自由に編成できるタイミングが非常に限られているか
もしくはクリア後なので習得したいタイミングに限って
1対多の戦闘になってしまうことも珍しくない。
悟飯がセル完全体と戦う時もアニメオリジナル展開の
デメリット無しな四身の拳を使う流れを再現しているせいで
悟飯が圧倒する話の流れなのにリンチされてメチャクチャ苦戦する。
ゲーム的に割とバランスをきっちり取っていることも欠点かな。
普通ならそれがいいことなんだけど、
悟空が助けに来て敵を圧倒するってシーンでも
バランスをきっちり取っているから
ナッパ相手でも圧倒できるわけでもなく攻撃範囲の広さから苦戦したり、
ジースとバータ相手でも1対2の人数の差で苦戦したりする。
攻撃の硬直が短くはないので、1対1じゃないと横槍が本当にキツイ。
ザコ敵の種類も そう多くないから謎のサポートドローンの出番が
序盤から終盤まで出ずっぱり。
ザコだろうがボスだろうが、
敵は こちらが殴っている最中でも突然赤いオーラを纏って
スーパーアーマー状態となり、強制反撃してくるのも面倒。
一方的に殴り飛ばして終了しないようにという措置かもしれないが、
これがボスだと一定時間 赤オーラを纏い、
連続して必殺技をぶっぱなしてくることがある。
そうなるとオーラが消えるまで ひたすら逃げ回ることしかできず、
戦闘時間を引き延ばされるだけなのでしんどい。
戦闘中に取れる行動の選択肢が意外に少ないので、
何十時間もやっていると流石に単調に感じてくるかな。
反応が良すぎるのもあるのか、
気弾や気功波に対してセルは一定時間 無敵になるバリアーを張るが
本当に ちょっと気弾を撃てばバリアーを張るので
どれだけ気弾を恐れているんだ・・・という気分にもなってしまう。
人造人間19号と20号は わざわざエネルギー回復技も再現しているので
うかつに気功波系の技を使うと体力を回復されてしまう。
20号は吸収技が掴み技になっている上、誘導性能が高いので逃げにくく、
逃げるコツを得ないと これまた戦闘時間を引き延ばされやすい。
戦闘システムが舞空術を前提としているためか、
悟天に空の飛び方を教えていないのに
悟天の勉強の合間の気分転換という体で組み手をする時、
何故か平然と悟天が空を飛んでいたりと気になってしまうところもある。
細かい再現をしていないのは色んな都合でよしとしても
人造人間編の冒頭のように長々とゲームオリジナルで
引き延ばしのように空白の間を埋めようとするのなら、
その分を他の再現に当ててほしいと思わなくもない。
サブクエストも一部の話が悪い意味で驚かされるものも。
再現度が高めだからこそ、イベントシーンが長くて
ゲームのテンポとしては それだけよろしくないことでもある。
それと、単純にロード時間が長いので
マップの切り替えを伴う移動が億劫に感じてしまう。
再現しきれていないところはあるし、
戦闘システムも洗礼されているとは言い難く、不満点は多い。
だが、それでもドラゴンボールが好きなら
思う存分世界観を満喫できるはず。
筋斗雲や扉絵にあったエアカーや二足歩行ロボにも乗れるので
舞空術で飛び回らず、無駄に乗り回してドライブする楽しさもある。
細かく話が飛ぶところはあるものの
ドラゴンボールの話を追うには十分すぎるし、
他のドラゴンボールゲーにはない再現度もあって
ドラゴンボール好きなら間違いなく楽しめる1本ではある。
悟空体験RPGではあるが、意外と悟空を操作するシーンが少めなのは
原作からそういうものだと割り切るしかないけどね!