自分だけの組み合わせで、自分の思うままにAIをカスタマイズする自由度の高いRPG! ファイナルファンタジー12ザ・ゾディアックエイジ
ファイナルファンタジー12 ザ・ゾディアックエイジ!
どうにかクリアできたので紹介!
部分部分で引っかかるところもあったが面白かった!
元々は2006年にプレイステーション2で出ていて、
2017年や2018年にプレイステーション4やxbox one、
steamでHDリメイク版が出ている。
自分がプレイしたのはニンテンドースイッチ版。
グラフィック以外にオリジナル版よりも大幅にシステムに手を加えられているので
ストーリーは、イヴァリースと呼ばれる世界が舞台。
この世界ではダルマスカ・帝国アルケイディア・ロザリアという3つの大国が存在。
ダルマスカと帝国の戦争が長年にわたって続いていたが、帝国の侵略を許してしまう。
その戦争で夫を亡くしたダルマスカの王女、アーシェは帝国への復讐を誓い、
ラバナスタ解放軍として活動していた。
その戦争で兄を亡くしたヴァンが、帝国への怒りから
宝を盗もうと王宮へ忍び込むところから物語が始まる。
ジャンルはRPGだが、これまでのファイナルファンタジーと違って
戦闘画面に切り替わってのコマンドRPGではない。
フィールド上に敵が うろついていて近くを通ると敵が攻撃してくるか
こちらから攻撃することで戦闘となる。
といっても戦闘画面に切り替わるわけではなく、そのまま戦闘する。
コマンドはボタンを押すことで自由に開ける。
この時、時間が止まるか動いたままかは
オプションのアクティブとウェイトで選択可能。
基本的にはプレイヤーが操作するリーダーキャラと
AIによる操作2キャラの3人パーティによる戦闘。
ストーリー上、同行するキャラも加わって4人パーティになることも。
戦闘中にプレイヤーがやることはリーダーキャラの移動や視点の操作、
コマンドによる指示。リアルタイムで戦況が動いていく中、
リーダーキャラ含めてAIで動くので「ここはこれ」と細かいところは
プレイヤーがコマンドを開いて補ったり、AIでは使ってくれない
ミストナック(特殊技)や召喚技を使ったりする。
AIが操作とは言ったが、そのAIによる指示はドラクエの作戦コマンドではなく
ガンビットと呼ばれる事前に自分がAIを組む方式。
これがファイナルファンタジー12最大の特徴。
【条件&ターゲット】と【行動】を組み合わせ、
何をしてもらうのかをセットしておく。
条件&ターゲットの部分は非常に細かく存在していて、
敵1体、近い敵、遠い敵、現在HPの多い敵、最大HPが一番少ない敵、
炎に弱い敵、特定の状態異常にかかったキャラといったものだけでなく、
HP≧30%の敵、なんて絞った対象へのものも存在。
ガンビットは上から順番に参照していき、
引っかかったものを行動として行うようにできている。なので──
1:戦闘不能の味方 フェニックスの尾
2:HP<50%の味方:ポーション
3:目の前の敵:たたかう
とセットしておけば、普段は『たたかう』で攻撃をしてくれ、
HPが50%を切った味方にポーションを使い、
戦闘不能者が出たらフェニックスの尾を使うようになる、というわけだ。
最初は2つしかガンビットをセットできないが、ゲームの進行で増えていく。
上から順に実行していくことを念頭に置けば難しくはない。
ガンビットは条件を2つ以上セットできないので
細かいところに不便に感じるところもあるが、
『味方1人:目薬』とセットしたら所かまわず使いまくるのではなく
暗闇状態になった味方が出たら使ってくれる利便性の良いところも。
「ここの敵は この状態異常を使ってくるから、治療できるようにしよう」
「この敵は しょっちゅう防御魔法を使うから解除するディスペルを入れよう」
なんてガンビットを考えて組むのが最高に楽しい。
1キャラ3セットまで作れるし、ボス戦真っ最中であろうと
メニュー画面を開いて切り替えられるので
探索用・ザコ戦用・ボス戦用といった用途に使い分けられる。
ちなみにゲストキャラのガンビットも変更可能だ。
「今だけ これは使わなくてもいいや」という命令は個別にOFFできるし、
簡単に上下に入れ替えて優先度を手軽に変えられる。
自分が思うように味方が動いてくれた時の喜びは最高。
プチコンで自分のプログラムがちゃんと動いてくれた時のような嬉しさ。
戦闘は等倍・2倍速・4倍速とLボタン1つで変わってくれるのでテンポも文句無し。
※AIは本来、人工知能のことを指しているので、
説明したものと意味合いは違うが、物例えの1つということで勘弁してほしい。
育成を楽しくしてくれるのが、このライセンスボードシステム。
過去作のプレイヤーなら『ジョブ』と言えば伝わるだろうか。
ナイトやモンク、白魔導士、黒魔導士といったジョブの中から1つ選ぶ。
戦闘で敵を倒すと経験値と共にライセンスポイントが手に入るので、
それを使ってライセンスボードの中央から隣接するパネルを取っていく。
パネルには魔法やアビリティ、技、基礎ステータスの上昇の他に装備品もある。
実はファイナルファンタジー12は魔法や技どころか装備は
ショップやトレジャーなどから手に入れられるが使用や装備ができない。
ライセンスボード画面にて対応するライセンスを取らなければ使えないのだ。
なので、ステータスの上昇から取るか、
魔法から取るか、装備を取るかから育成が始まっている。
装備もHPが上がったりする補正があるし、
装備ライセンスがないと いつまで経っても弱い装備のままなので
基礎ステータスアップにだけ目が眩んでいては戦力が全然あがらない。
どういったジョブの特徴か、
何が装備できるかはライセンスボード選択画面で教えてくれるし、
誰に何のジョブをやらせてもいいので
「このキャラは前衛、このキャラは後衛をやらせよう」
と、自分なりに好きに当てはめて、好きなものから取っていこう。
なお、「やっぱり別のジョブにしたい」って時は
モンブランというNPCに話せばライセンスポイントは
使った分そっくりそのまま戻ってきてライセンスボードから選択し直せる。
ゲーム中盤に入るあたりには2つ目のライセンスボードも選べるのだが、
振り直す際に2つのジョブまとめて選択し直せる。
言い換えれば、「片方だけ選択し直したい」なんてことは出来ないので注意。
自分だけのジョブを組み合わせ、自分で設定したキャラの役割で、
自分だけのAIを組んで戦うのは最高に面白い。
移動と戦闘がシームレスだし、倍速機能もあってテンポもいい。
グラフィックも良く、街中にある小さな小物もたくさんあって作りこまれている。
不満点を挙げるなら、マップがあるとはいえ
最初の街からマップが妙に複雑なところ。
こんな細かく枝分かれしてるような地形にしなくても・・・!
もっとわかりやすくていいじゃん!
だが、一番の不満点は やはりストーリーだろう。
空賊のバルフレアと王女のアーシェが中心になっているが、
主人公であるヴァンが完全に後ろに行っている。
ムービーシーンでも全然喋らず、喋っても
「つまり、〇〇へ行って●●を取ってくればいいんだな」
という脇役寄りのキャラが簡潔にまとめるようなことぐらい。
これは決してヴァンというキャラクターが悪いわけではない。
仲間の1人に、ヴァンの兄を殺したと思っていたキャラが居て、
会ったばかりは当然、怒りながら問い詰めるが相手の言い分を聞いた上で同行し、
最終的には無実だと理解し、仲間として受け入れている器の大きさを見せている。
そこがヴァンのいいところでもあるが、悪いところにもなっている。
そこまでの考えを ほとんど誰にも話すことなく辿り着いてしまったのだ。
つまり、幼なじみのパンネロ共々戦争の悲劇を乗り越えているので
人間として ほぼ完成しているような状態でスタートしている。
そのため成長を描かれていない。
ゲーム中で起こる問題もヴァンは一般市民で
起こっている問題の規模は国同士の対立に繋がっているものだし
王家の人間しか知らない話ばかりなので、ヴァンそのものは口出しの仕様がない。
「この物語の主人公だ」を皮切りに主役ポジションのバルフレアも
いまいち過去を描き切れていなかったり、
フランとは どう出会ったのかも不明な点が多い。
実質ラストダンジョンの大灯台もやたら長く、
最大HPが減る状態異常のウイルスにしてくる敵や
特定の敵だけ倒すギミックがあったりと面倒。
セーブポイントが点々とあるとはいえ、ファイナルファンタジー3の
クリスタルタワーから闇の世界のような長丁場を思い出した。
大灯台にあるトラップもダメージがデカすぎる。
細い道にある上、自分が避けても仲間が踏んだりする。
この辺りは何かしらの調整をしてもよかったんじゃないだろうか・・・。
せめて、セーブクリスタルを増やすとか・・・。
要素が多すぎて書くのを省いてしまった点が多いのは申し訳ない。
色々欠点はあれど、育成や仲間の行動を自分で作り出すのは間違いなく面白いぞ!
万人向けではない、かなりマニアックな内容寄りだが
もし興味が湧いたら、この門徒を叩いてほしい!
ニンテンドースイッチ版ならいつでもどこでも楽しめる!