福井で行われた悲しくも凄いイベント、まちなかTVゲーム図書館を振り返る
福井駅の近くに、『駅前KOOCAN』なる建物があることを知っているだろうか?
簡単に言えばイベントや催しものを行うための場所だ。
イベントが無いときは市民ギャラリーとして解放している。
そんな駅前KOOCANで、2010年に『まちなかTVゲーム図書館』
と言うイベントが行われていたので行ったことがあるが、これがまた寂しかった。
どのような内容か、レポートがネットを見ても少なかったので
残す意味で改めて記憶を辿って書きたいと思う。
まず、先ほどの案内チラシが非常に見辛いことを思い出す。
この写真を見れば わかるが、何も気にせずスルーしてしまいそうだった。
せめてボードいっぱいのサイズに刷るべきではないだろうか。
そして中に入っても人は全く居なかった時点で、かなりいたたまれなかった。
が、ゲーム図書館というだけあってメガドライブ、セガサターン、ドリームキャスト、
PCエンジンDUO、ネオジオが1台ずつと言えどズラッと並んでいて
近くにいる職員さんに遊びたいソフトを貸してほしいと頼むことで
簡単に遊べるのは凄かった。凄すぎて、今になって思うと
ハードのラインナップに偏りが見えることは何てことなかった。
PCエンジンはマルチタップがあり、
ネオジオは2人分のネオジオスティックがあったりと抜かりが無い。
小さいころからゲーム好きという市職員が発案したイベントだけのことはある。
ソフトは遊びたいゲームを書く紙が別にあるので、
このファイルの中にあるタイトルを書いて職員に提出するシステム。
こうすることで盗難を防止しているのだろう。
ちなみにPCエンジンDUOなので、スーパーCDーROM2のソフトもある。
あんまりマイナー過ぎるタイトルは無かった気がするが、
知らない人同士で遊ぶ場であるため、知名度の高いタイトルを集めたのは正解。
・・・なのにファミコンやスーパーファミコンを用意していない理由は不明。
ソフトパンフレットとは別で、ファミ通から許可をもらって抜粋した
ゲームハードの歴史も載っている。量自体は少ないが、おまけとして見るには十分。
近くには周辺機器も置いてあり、ガンコン、サターンのアケコン、
ハンドルコントローラー、キーボードなどが置いてある。
キーボードはザ・タイピング・オブ・ザ・デッドに使うものだろう。
確かラインナップにあった覚えがある。
サンバ・デ・アミーゴのコントローラーやツインスティックもあるので
職員は よっぽどのセガ好きだったのだろう。
抜かりなく2人分置いてあるため、ガチ勢が2人揃ってもバッチリだ。
しかし、そんな職員さんの熱意に反して来場者は全くいなかった。
右の2人は奥にあるスターウォーズの展示物を見に来た人なので
TVゲーム図書館の来場者とは別。
せっかく来場者同士が会話で盛り上がってほしいと用意された
椅子とテーブルも悲しさが引き立つ。あまりにも悲しすぎて、
自分はTVゲーム図書館を一通り見回っただけでゲームを遊ぶことなく出てしまった。
「せっかく来たのなら遊んでいけばいいじゃん」
と思うのが自然だが、この うなだれている職員さんを見て
ソフトをレンタルする勇気が、どうしても自分には無かった・・・。
何か読書に夢中だったようだが、言い換えれば読書の世界へ
逃げたくなるぐらい来場者が居なかったともいえる。
このイベントのコンセプトは
「友人同士や親子のコミュニケーションの活性化につなげたい」だが、
来場者の少なさでコミュニケーションに繋がったとは思えない。
その理由としては、地元で宣伝が全然行われていなかったことにある。
それに出入り口が見辛い場所にあるのに、わかりやすい案内も無かった。
福井県民の自分でも2~3回、福井駅の駅員さんに訪ねてしまったほどだ。
ネットでニュースにしてくれたところもあったが、
県外から福井へ人を呼ぶほどの魅力は伝えきれていなかったと思う。
ハッキリ言ってPRがヘタクソにもほどがあった。
今は強い恐竜押しで県外の人にも恐竜の地として知名度は得ているし、
福井駅近くに超大型ショッピングモールのハピリンも出来た。
そのハピリンでは、何度かゲームの大会が行われたこともあった。
美味しいグルメも上手にPR出来るようになっている。
実際に県外からの観光目当ての人が多くなった。
だからこそ、今再びTVゲーム図書館をやって欲しい。
あの寂しい読書に励んでしまった職員さんに
声をかけやすい雰囲気があれば、自分も喜んで遊びに行くから・・・。