アマテラスとイッスンが紡ぐ、命と天照らす物語!大神 絶景版
ちょっと前にクリアしたので大神 絶景版の紹介!
元々はプレイステーション2に出ていたゲームでwiiに移植され、
プレイステーション3と4にXbox one、ニンテンドースイッチ、
steamではHDリメイクこと、今回紹介する大神 絶景版が発売されている。
自分が遊んだのはニンテンドースイッチ版ね。
ストーリーは、英雄イザナギによって封印されたヤマタノオロチ。
その戦いの際にイザナギを神秘の力で手助けをした白狼の白野威は力尽きてしまうも
神木村にある神木に像が作られ、村の守り神として祀られていた。
しかしそれから百年後、オロチを封じていた宝剣『月呼』が
何者かに引き抜かれてしまい、オロチが復活。
草や樹、動物、人間、命、そして太陽までもが飲み込まれ、
世界は闇の中に閉じ込められてしまう。
そんな中、ただ1つだけ災厄を免れた村があった。
神木村と呼ばれるその村は、巨大な木に宿った精霊サクヤ姫の加護によって
世界を襲った災厄から かろうじて守られていた。
サクヤ姫はあまりの災厄の大きさを目の当たりにし、復活の儀を行う。
すると、村の守護神である『大神像』に命が宿り、
呪われた大地を照らす天つ日と共に、伝説の大神『アマテラス』が復活。
こうしてアマテラスは、全ての命を救うため
偶然出会った小さな妖精コロポックルである
絵師のイッスンと共に災厄を振り祓う旅に出るのであった。
しかし復活したばかりのアマテラスは かつて持っていた神器は無く、
アマテラスへの信仰心も無くなっていて それに伴い力も失っている状態。
現世の各所に存在する分神と出会い、力を取り戻し、
災厄に包まれた大地を少しずつ浄化しながらヤマタノオロチ打倒を目指す。
特徴的なのは一目で わかる水墨画風のグラフィック。
世界は2Dではなく3Dで作られているし、カメラは自由に動かせるので
この世界を見ているだけでも見惚れる場所が多数存在する。
力強く繊細なタッチが魅力である(と昔、美術の先生に言われた)
水墨画を見事なまでにゲームグラフィックへと落とし込んでいる。
このグラフィックを良くHD化できたもんだぜ・・・。
個人的に好きなのはアマテラスが走った後に花や紅葉が咲き乱れる演出。
これのおかげでダッシュしているだけでも世界に色取りを与えるし、
咲き乱れる植物だけでも複数種類ある拘りっぷり。
グラフィックだけではなく、水墨画にピッタリなシステムも存在。
それが『筆しらべ』だ。Rボタンを押すと画面が停止して
グラフィックが水墨画風から日本画風に変わり、
その状態で右スティックを動かすことでカーソルの筆を走らせることができ、
様々な奇跡や自然現象を起こすことが出来る神の力だ。
ニンテンドースイッチ版ではジョイコンのジャイロ操作でも可能。
携帯モードだとタッチ操作で画面に触れることで、より直感的に行える。
筆しらべで繰り出せる奇跡は太陽を照らし出す、
夜にする、敵や物を横一文字に切り裂く、
炎・水・雷などを操る、失われたものを蘇らせるなど様々。
これらを使って住民たちの悩み事を解決したり
仕掛けを解いたりするゼルダの伝説のようなアクションアドベンチャーに近い内容。
地形に対して筆しらべを使うことで何か起こる時は
筆カーソルを合わせると緑色のもやもやが出てくるので それで判別できる。
だが、ゼルダよりも戦闘難易度は全体的に低め。
回復アイテムは3種類ある上に99個まで持てるし
戦闘中に制限なく使い放題、買わなくても かなりの数が拾える。
敵を倒したり自然を蘇らせたり住民たちの悩み事を解決すれば
『幸玉』という経験値的なものがもらえ、
それを体力・筆しらべに必要な墨ヒョウタン等の強化に費やせる。
墨ヒョウタンは謎解きにも使うが、一定時間経過すると自然に回復。
ゼロになってしまうと短時間、神器が使えなくなるのでパワーダウンしてしまう。
道中で手に入る神器は鏡・勾玉・剣の3種類。
神器は武器として一度にメインとサブの2つを装備することが出来るが
各神器はメイン装備とサブ装備で効果が変化する。
個人的なオススメ武器は勾玉。
ゴッドオブウォーのブレイズオブゴッドっぽくてリーチが長く、使いやすい。
戦闘は体当たりや神器を使った攻撃にジャンプやステップ、ガードが基本となるが
一閃を筆頭に、筆しらべは戦闘でも使うことが出来る。
というか、だいたいの敵は ごり押しも可能ではあるが
筆しらべで弱点を さらけ出させるような感じで使う。
ただし、先ほど言ったように墨ヒョウタンは自然回復はするが
ゼロになるまで使ってしまうと自然回復で戻るまで
神器も使えなくなるので攻める時には残量に気を付けよう。
戦闘で攻撃が当たる状態に当てた時や
筆しらべを使った時に効果があればそのまま効くが、
防御されたり無効化された時は敵から『無駄』と表示されるので
効いているかが一目で わかるようになっている。
風景を見ているだけでも美しさに見惚れるし、
ちょっと横道へ行くと宝物があったり
釣りのミニゲームがあったりと探索のし甲斐がある。
分神と再会して筆しらべを取り戻す度に行動範囲が広がって
新しい場所にいけるようになったり、戦闘が より楽になったりするし──
謎解きは一見 解き方の分からなくても周囲を見渡すことで答えが導き出せたり
使う筆しらべを間違えた時や道中でイッスンがヒントを出してくれることも。
BGMも気合が入りまくっていて和を基調に壮大な曲、
おどろおどろしい曲、勇ましい曲など場面にピッタリなものばかり。
ただの効果音でも闇に包まれた土地『タタリ場』へ足を踏み入れた時の
「やばいところに入った!」って感じがバリバリの演出は
絵的なものだけじゃなく音の効果もあると思う。
特に妖怪の怨念によって枯れてしまった大地の生命力を取り戻し、
一気に緑に満ち溢れた世界へと戻っていくムービーは言葉が出ない。
水墨画と和の音楽が一体となった、まさに大神だからこその映像だろう。
「次どこ行けばいいんだっけ」「次何をすればいいんだっけ」
となっても、イベント中以外は いつでも開けるメニュー画面から
簡単に確認できるのも非常にありがたい。
マップも位置関係が掴みやすく、これまたありがたい。
こうして世界を駆け巡っていくのだが、
旅先で出会う人々も個性豊かで面白いキャラが多い。
特にウシワカは掴みどころが無いだけに、クリア後には印象が大きく変わる。
そして、それらの出会いが積み重ねがあるからこそ、
アマテラスの『全ての命を救う』使命の重さと
言葉は喋れなくとも節々から描写される使命感、
可愛げのある仕草と やる時はビシッと決める格好良さに惹かれていくのだ。
操作性は良く、グラフィックもBGMも文句をつけることが難しいが
あえて欠点を言うなら・・・たまにヒントが わかりにくいところかな。
筆しらべはビシッと綺麗に線を描いたり
円を描くことは難しいが、それでも大丈夫なようにはなっている。
が、言い換えればそれは判定が曖昧でもあるということ。
「この斜めに引いた線は筆しらべとして認識されるけど これはダメなの?!」
ってこともたまにある。上の画像で言うと、右はOKだけど左はNG。
タッチ操作やジョイコンによる筆しらべで綺麗な線や円は描きにくいから
この辺は もうちょっと緩くてもよかったかな。
個人的に一番嫌だったのは、影がわかりにくい作りなのに
ジャンプアクションするところ。視点を完全に真上からに出来ず、
影は どういうわけか空中に描写されることもあるので
影だけを指標に着地すると落下してしまう。
距離感を掴みやすくする工夫が何か欲しかった。
あとはカグヤの穴掘りミニゲームが進行上必須なのにやたら難しかった。
っていうか、カグヤはどうなったんだよ?!
点々と「ここ描ききれてないけど削ったのか、続編出す予定だったのかな・・・?」
って感じるところもあった。 本筋は立派に完結しているだけに、
こういう細かいところも気になってしまったな。推測できない範囲ではないが。
だが、そういった欠点を物ともしない内容だった。
クリアした時に解禁されるイラスト閲覧やサウンドテストは豪華だし、
収録されているイラストはHDに合わせた高解像度版。
しかもこちらはHDではないものの
開発段階で披露された社内プレゼン用の映像も鑑賞可能。
大神が好きな人ほど嬉しくなるオマケ。
全体的な難易度の低さは間口が広いとも言えるし
操作性も良く、筆しらべの鮮やかさ、演出の美しさもあり、
まだ遊んだことのない人は ぜひ遊んで欲しい。
公式サイトやPVを見て少しでも興味が湧いた人なら
間違いなく買って後悔はないはずだ。